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セイクレッドの日常
「久々にギランに出ると疲れるわね。まぁその甲斐はあったけど。」

そう大きな袋を抱えてGK前に出た女はため息をこぼす。

そして自分の家になりつつある洞窟へと足を進めようとした時だった。





ドーーーン  ガシャガシャ  ごごごごごご





『なんだこれは?!』

『マルセル!陣のルーン文字を間違えたな?!』

『え、月・闇・血と確かに・・・・。』

『火が抜けているではないか?!』









「・・・何事?」

首をかしげてから洞窟内へと進む。途中地震のような揺れで

崩れ落ちてきた天井の破片を器用に避けつつ中の広間に出る。

「ただいま・・・ってナニしてるのハーディン。」

中のあわただしさも軽くスルーして家の主に声をかける。

当のハーディンはなにやら魔法書片手に大騒ぎしているところだった。

「ヨハネス!いい所に・・・・召還の実験をしていたのだが手違いがあって・・・

手を貸してくれないか?!」

魔方陣の中から顔だけ出てきている黒く巨大なバケモノ。

それを少しの間見ていたと思うとセイクレッドは顔を上げた。



「なんで私が。」



しれっと言い放つとスタスタと自室に向かい歩き出す。

「よ・・・ヨハネス?!」

「ハーディン様!結界もう持ちません!次の支持を!!!」

そんな大騒ぎの中あっさり友人を見捨てたセイクレッドはちらっと振り返り

ため息一つ。

「・・・魔法失敗は自分に返る、常識じゃない。自分で責任持ちな。」

そう呆れたように言うとドアを閉めて台所に荷物を置き、風呂の火を入れ

自室へと戻る。

「えーと・・・タオル・・下着・・・・コットンローブ・・・・。」

ブーツを脱ぎ、サンダルに履き替えてそれらを手に取ると再び台所へ。

適当な椅子に置くと先ほど買って来た食材を保管庫やあちこちに分け

残っている食材をテーブルに並べる。

「・・・よし、今日はロールキャベツと炒め物でいこう。」



その頃のハーディン。

「そっちの陣書き換えろ!返還の陣に書き換えるぞ!」

「はい!」

「ハーディン様!こちらもう抑えられません!」

「フリーシャもあちらに回れ!」

「分かりました!」

だんだん出てくるその物体と必死に格闘中である。



その頃のセイクレッド。

「よし、あとは風呂でてからでいいや。」

こねたたまねぎとミートをキャベツでくるみ楊枝で留めたものを皿に並べ終わり、

コンソメスープも大鍋に準備完了。

その横にニンジンを切った物を置き、テーブルには刻んだ野菜と海老とプチトマト。

それらを見て満足げに言ってから天井を見上げる。

「・・・まだやってんのか・・・」

呟くと用意した食材をテーブルの下においた箱の上へと移動する。

「せっかく準備したのにその上に埃かかったら最悪・・・。」

揺れる天井。そこからパラパラと降ってくる破片。

それを避ける為に食材を移動すると椅子の上の服を手に取る。

「そろそろ沸いたかな。」



その頃のハーディン。

「うわぁっ」

「シュトラール!」

「だめですハーディン様!気失ってます!」

「ハーディン様!もう胸部まで出ています!」

「うろたえるな!全員攻撃魔法詠唱開始だ!」

「はい!」





その頃のセイクレッド。

「いい加減うるさいわね・・・」

浴槽に浸かりながら髪を掻きあげる。

「全く・・・大方陣の真言書き間違え程度なんだろうけど

予測できたでしょうに・・・ハーディンの確認ミスね・・・。」

そう言いながら顔を上に上げた時だった。

揺れる天井から落ちてきた破片がセイクレッドの頭にぶつかった。

「・・・・・・・・」

  ザパッ





ズンズンズン    バンッ!!!





全員音のした方に振り返る。

「よ・・・ヨハネスさん・・・・・」

タオルを巻いただけの格好でサンダルをひっかけ目をぎらつかせる女が一人。

額からわずかに血が流れて濡れた髪は肌に張り付き。

普通であれば色気ムンムンなんだろうがその目つきが全く違う印象に変えている。

「・・・人がのんびり風呂入ってんのにうるさいのよホント・・・・」

カツカツと音を立てながら陣に向かい歩き出す。

「ヨハネスっ危険だ・・・」

「うっさい。」

そう途中まで歩きハーディンを睨みつけると走り出す。

「こんな雑魚相手に手間取ってるんじゃないわよ!」

そう言うと飛び上がりサンダルのヒールを大分出てきているバケモノの額にヒットさせる。

大して効いてないのだろう、「なんだ?」という素振りを見せているのにも関わらず

そのまま空中で左手でバスタオルを押さえたまま体勢を立て直し顔部分に蹴りを入れる。

仰向けにのけぞる胸部より上だけのバケモノ。その下に降り立つと陣のある部分を足で消す。

途端に陣の光が消え、化け物が地面に固定される形になる。

  ギャーーーー

流石にこれは堪えたのか上がる叫び声無視して顔を上げ、額の血を乱暴に右手の手のひらで拭く。

そしてその手をそちら側に向けると怒鳴り声を上げた。

「パブテスマの名において・・・闇より生まれいでしものよ・・・汝が在りし世界へ還れ!!!」

その言葉で無数の光の線が見えたと思うと徐々にその光に化け物が飲み込まれ

最後にはその場には何も残らなかった。

「・・・フンっ」

左手は相変わらずタオルの胸元を押さえ、血だらけの右手を腰に当てると

上から斜め45度でその場を睨みつける。

「よ、ヨハネス助かった・・・・すまない・・・。」

そう呆然としているその場から一歩セイクレッドに近づき声をかかえるハーディンだが

「ぁ?」

と言って思いっきり睨みつけられたじろぐ。

「誠意がない!心がこもってない!!!わざわざ風呂入ってたとこ出てきてあんたの尻拭いしてやったのよ?!

大体ね!あんたらがこんな雑魚相手に手間取ってたせいで風呂場の天井落ちてきて頭当たったのよ?!

ケガしたのよ?!分かってんのホント!女にケガさせておいてその程度謝って済むと思ってるワケ?!えぇ?!」

「いや・・・だから・・・本当に悪かった・・・・」

「それが誠意がこもってないって言ってんの!!!あーーーーもう湯冷めすんじゃないのよ。

片付け!あたしが風呂出てくるまでにしときなさいよ?!キッチンも!」

「わ・・・・わかった・・・。」

「あと今日は飲むから!酒も買ってきてよ?!」

「いや・・・ここは禁酒なのだ・・・が?!」

言いかけたハーディンの胸倉を血のついた手でつかむ。

「ここまでしてやったのにそんな事言うわけ・・・?」

「わ、分かった、用意する・・・」

全く・・・・などと呟きながらそのまま扉の向こうへと消えて行くセイクレッド。最後に

「今日の晩飯ロールキャベツね。」

言い残し、再び風呂に入りに行く。

そのまましばらく呆然としていたが、やがて慌ててハーディンは指示を出し始める。

「マルセルはギランに飛んで店で一番アルコールの高い酒を5.6本買ってきてくれ、

他は私塾の掃除、台所優先で!」

「あ・・・・わかりました!」



これがセイクレッドの日常。

居候でありながらどう考えても乗っ取っているような状態。

ただ、それが許されるだけの事はしている・・・・・その話はまた別の話。









☆おまけ☆

「あーくそっめんどくさいっA tool da rizahan lilic」

「あのーヨハネスさん、頭の手当てを・・・・」

「もう回復したわ、さんきゅ。」

「あ、プロフィットさんでしたね;すみません。」

包帯を持って部屋を訪ねてきた弟子の一人を見やる。

その足の包帯に気づき指でちょいちょいとベッドに座る自分の方にこさせる。

「・・・?」

「A tool de rizahan lilic」

わずかな光と共に痛みの引く足を見て、その弟子は頭を下げる。

「あ、ありがとうございます。」

「・・・・他にもけが人いるの?」

「あ・・・マルセルとショコラが・・・・。」

「しゃーない・・・ついでだわ。行くよ。」