家電バーゲン
放射能測定器
避難リュック
本のバーゲン

☆眠る猫と眠る兎☆



「クロ〜飯だぞ〜」

INESS副盟主、眠る猫。

あまり知られていないが

極度の愛猫家である。

「ポンタ〜あれ、チーどこ行った?お前連れて来いよ。」

他血盟員には内緒で実は常に4匹の猫を引き連れている。

アップル、チェリー、クロ、ポンタ。狩りに出ている間は宿の部屋に

閉じ込めている為、食事の時間になると大騒ぎになる。

「ポンタ?どうした?」

いつもなら部屋に帰ってくるなり出てくるはずのポンタが出てこない。

その姿を探すとテーブルの下から黒い尻尾がのぞいている。

「ポンタ?」

覗き込んだテーブル下、ポンタの右。

「・・・・・・・・」

  カリカリカリカリカリ

「え・・・・・・?」

ポンタが見つめる中青白い顔で生のにんじんをかじるドワーフの少女らしき生き物。

  ピタっ

「・・・・君は・・・誰????」

  ジーーーーーーー

「いや・・・そんなに見つめられても・・・・。」









「えーと・・・君の名前は?」

とりあえずポンタがテーブル下から連れ出してきた少女に尋ねる。

少女は黙ったまま、椅子に座り向かい合う猫の顔を無表情で見つめている。

「どうしようかなぁ・・・ヨハネさんにでも相談してみるか・・・・。」

とりあえず埒があかないので隣の部屋に宿を取る盟主を訪ねる。

その後ろを少女は猫の着るテカの袖を掴みついてゆく。

さらにその後ろにはチェリーを除いた3匹の猫がついてきている。

   コンコン

「ヨハネさん起きてますか?」

返答はない。

「参ったなぁ・・・。」

時間が時間なだけにもう他の血盟員も寝ているだろうと思い、

部屋に戻る。

ポンタはいつも通りドアの前で見張りの体勢で眠り始めた。

「とりあえず、ベッドで寝てもらって・・・」

考えながら下から見上げてくる少女にベッドを指差してみせる。

「今日はもう遅いから。」

そう言ったが通じていないらしく首を傾げる。

 ポンポン

そうベッドを叩くとそこに素直に入る。

その体に毛布をかけ、自分はソファに横になる。

「・・・それにしてもポンタどこから連れてきたんだ・・・・。」

既に、ポンタさんのせいにされています。



チ・・・チ・・・チ・・・・

「にゃぁ・・・。」

朝6時にご主人様を起こす為に起きたポンタ。

「にゃ・・・」

ベッドの上に上がると寝ているのは問題の少女。

「にゃ・・・・」

ソファの上に飼い主の姿を発見すると迷わず飛び上がる。

「ぎゃっ」

顔面をポンタに潰され猫は奇声を上げた。

  いつもならここまで。・・が、今日はこの部屋に泊まっている少女がいる。

「・・・・・っ」

ポンタのジャンプを見つめていた少女が、真似をしてジャンプする。

「ぐほっ・・・・」

腹の上と顔の上に重量をくらい、うめき、バタバタと暴れる。

その音は、朝から自分で豆を挽きコーヒーを楽しむ反対隣に泊まるスペルハウラー、

古くからの友人のイケガミに聞こえていた。

「猫朝からうるさいぞ。」

苦情を言いにきたイケガミがノックもせずにドアを開けるとそこには

「ちょ・・・君まで真似しないでよぉっ」

猫の上にきょとんと乗っかるドワーフの少女と

もう役目は終わったとそのソファーの下で寝る猫のポンタ。

イケガミはその様子を見てしばらく固まる。

「あ、イケっいやっこれはっそのっ」

その視線に気づき言い訳を始める眠る猫。

「・・・・・・・・」

   パタン

「ちょwwwwwまっwwww」

明らかに勘違いをしていると思われるイケガミが無言で部屋を出て行った事に

焦る猫だが、問題のドワの少女が上に乗っかっている為身動きがとれない。

  

カチャ 

「ラズリ、エアリス起きろ」

「う?」

「ん〜?」

部屋に戻るなりイケガミは自分のマナダガーを取りながら

同室で眠るエルフの双子姉妹、ラズリとエアリスに声をかける。

『…どうしたの?』

武器を手に持つイケガミの様子に何かあったのだと思い二人同時に体を起こす。

「…猫が」

緊張した顔つきでそれだけ告げ部屋を出るイケガミを見て

猫の身に何かあったのだと思った二人もベッド下に置いてある

ダークスクリマーとデリュージョンソードをそれぞれ手に隣の部屋に向かう 。

猫の部屋の前でマナダガーを構えたイケガミを見て双子はドアの左右に別れて

壁に張り付く

「rirkme yakme yakkpeace・・・・・!」

互いに顔を見合わせハリケーン詠唱の前半が終わった所でドアを開け

あぶない刑事に負けない勢いで転がり込んだ。

飛込んだ二人の目にはドワっ子を自分の腰の上に乗せてにやける

(正確にはどいてくれなくて乱暴にするわけにもいかず困って苦笑している)

眠る猫の姿。

「・・・・iriyas!!!!」

とっさに少女をかばうのに盾になる猫。

やってる事は立派だが現状この場で彼をそういう目で見る人はいない。

「ちょっとイケ!いきなり何する…」

とっさに枕元のエルブンアクセをひっつかんでいた為、大した怪我のない猫が

少女を抱えたまま抗議しようとすると、さらにその場に突入していた双子がまだ残っていた。

「猫最っっっ低!!!!!」

「そこまで堕ちてるとは思わなかったよっ!!!!!」

「ラズリ!」

「任せてっ〜No todos el listo eso vive en los bosques dónde la inclinaci

ón poderosa es las erradas verdes〜」

ソードシンガーであるラズリの歌声が響き、

それと同時に双子の姉エアリスが短剣を構える。

「ちょwwwwwまってってば!!!話しをき・・・」

ラズリのソングオブハンターを受け、プレインズである

エアリスが踏み込む。

「だからっ違うんっだってっばっ」

左手で少女を抱えたまま、眠る猫は右手で

愛用のDSでかろうじて受ける。

レベル差が多少ある為受けることこそ出来るが

全く攻撃の手を休めないエアリスは話も聞かず。

「猫っ自分のした事を反省しなさい!!!」

「だから何もしてないってば!!!」

「じゃぁなんでドワっ子乗っけてにやけてたの?!」

「困ってたんだっつの!!!」



その騒ぎで

さらに問題をでかくする人物が起き出して来た。



「うみょ〜?おはよぉ〜何かあったぁ・・?」

隣室で寝ていた盟主が部屋に入ってくる。

『ヨハネさん!』

双子の声がはもる。

「う?」

寝ぼけたまま目をこする盟主にイケガミが残酷な一言を

告げる。

「ヨハネさん。あれ。」

イケガミの指差す方向を見るとぜぃぜぃ言いながら

ドワっ子を抱える猫の姿。

「・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

「いや、あのヨハネさんこれは違うんですってば」

「・・・・・Ne vallan nokian・・・・」

「ちょwwwたんま!!!」



「Lilic!!!!!!ふりぃじんぐしゃっくるぅっ」



直接ダメージのハイドロブラストよりはマシとはいえ

地味に痛い上に継続の凍傷スキルフリージングシャックル。

じわじわと減ってゆくHPを感じながら猫はバタリと倒れる。



「お兄ちゃん!!!ドワっ子好きなのはいいけど

誘拐は犯罪だよ?!」

そう叫ぶヨハネの声は既に届かず。

意識のなくなった眠る猫を少女は

不思議そうにつっつくのみだった。



「・・・」

「・・・・」

「・・・猫、そろそろ説明しろ。状況が把握できん」

ズタボロのまま背中を向けてベッドに座る猫に

椅子を引いてきたイケガミが尋ねる。

「だからっ昨日狩りから帰ってきたらテーブルの下に

この子がいたんだってば!ヨハネさんの部屋行ったけど

寝てたし仕方ないからここでベッドで眠ってもらったら

朝、ポンタが僕起こすの真似して飛び乗ってきたんだって。」

ふてくされたまま言う。

『信じられないわよ・・・・。』

双子の声がはもる。

「現実的にありえんな。」

腕を組んだままイケガミも呟く。

「なぁお前ら僕をどんな目で見てるんだよ・・・・。」

猫がそう恨めしそうに言うのに対し双子が即答する。

『ロリコン。』

「・・・・・・・・」

「ヨハネさん、どうしますか?」

イケガミの言葉にソファに腰かけ、

膝にクロとアップルを乗せてその首をなでていた盟主は

口を開く。

「お兄ちゃん、ボクに嘘ついてないよね?」

「・・・ついたらINESS追放じゃないですか。」

「分かってるならよし。クロさん、アップルさんちょと避けてね。」

そう言って立ち上がると猫の膝でスースー寝ている少女に

近づく。

「この子名前は?」

その言葉に猫は首を横に振る。

「言葉、しゃべれないみたいで。僕の言葉も分かってないんだと思います。」

「困ったね・・・・。TIAと言葉同じだったら楽だけど・・・。」

そう少女を見ながら言うとわずかに身じろぎして

少女が目を覚ました。

「・・・・・・・・・」

目が会うとジーッとヨハネを見つめる。

その頭をそっとなでてから

「大丈夫だよ。ボクはヨハネ。このお兄ちゃんの盟主だから」

それだけ言って振り返る。

「ラズリ、とりあえずこの子着替えも何もないみたいだから

何か着るモノ買ってきて。エアとイケぽんはTIA探してきて。昨日の夕方出たからもう村には戻ってきてるはず。」

『了解』

「ヨハネさんは?」

「ボクは宿のおじさんにこの子入りこんだの見てないか聞いてくる。」

『はいはーい』

各自着替えに部屋を出る。

「ヨハネさん・・・すみません。」

部屋を出ようとするヨハネは声をかけられ振り返り笑ってみせた。

少女は猫の表情を不思議そうに見つめている。

「クロさんたちが懐いてるなら悪い子じゃないよ。きっと。だから心配しないで。」





そう言ったものの事態は思ったより複雑な状況に陥るコトになる。