風谷ヨハネ(姉) テンプルナイト
  
身長151.2cm。体重ヒミツ。

  血盟 無所属

  性格 マイペース。恋する乙女。

  愛の為に生きる勢い暴走娘。

  基本的に何かずれてる。



風谷ラズリ(妹) シルバーレンジャー

  身長170cm。体重ヒミツ。

  血盟 某レベル5血盟所属

  性格 見た目を気にするお年頃。

  比較的冷静沈着だが外面は今時の女の子。

  が、慣れてくると口数が減る。

  その後また増える。 







☆Shilla☆〜前編〜

「ラーズ〜〜〜〜!」

ギラン城の村。その一角で妹の姿を発見したヨハネは

そう声を上げながらその腕を掴んだ。

「お姉様、なんだかすごく久しぶり〜。」

「真面目に狩りに明け暮れてたからねぇ。」

そう言いながら笑ってみせる姉の鎧の隙間から見える

多数の傷跡がその言葉を証明していた。

「何かあった?」

普段から比較的まったりしているヨハネには珍しく

激しい狩り方をした様子にラズリは首を傾げる。

「ふふ、この前ね、あの人に偶然会ったの!少しお話も出来て

俄然やる気出ちゃった☆」

そのヨハネらしい理由に妹、ラズリは苦笑しながらも納得する。

「よかったね」

「うん!転職してからあんまり上がってなかったけど一気にLV43だよ。

今魔法書取ってきたとこなんだ〜」

今にも踊りだしそうな勢いでヨハネは一冊の魔法書を抱きしめている。

その本の表紙に描かれた絵を見てラズリは即座にそれが何の魔法書か判断できた。

「サモン ライフ キュービックか。どんどんテンプルらしくなってきたじゃん♪」

「でーーしょー?早く呼んでみたいwこれで一人狩りから解放されるーヽ(´▽`)ノ」

「・・・あれ?ストームキューブはもう呼べるんじゃ・・・」

その言葉にヨハネはにっこり笑う。

「ストームは取ってないから^−^」

「・・・・どうして?」

「なんか、可愛くなさそうだから^−^」

思いっきり差別だ・・・と思いながらもあえてラズリは何も言わずに「そっか」で済ませる。

どうもこの姉、昔からマイペースではあったがある人に「惚れた」と言い出してから

マイペースというより暴走に近い行動になってきている。

そもそも、最初迷いながらもシンガー志望だったはずがその人に一目惚れした翌日

『あたしテンプルになるから。いつか、あの人の盾になる。』

とコロッと決め、挙句随分LVの上だったラズリを追い抜きフルプレートアーマーセットを

着こんで現れた姉だ。

いまいち恋愛感情というものを冷めた目でしか見ていないラズリから見ても

その姉の『恋』というものはよほど動力源になるらしいと、毎度毎度その

恋する乙女モード全開トークを文句も言わずに聞いてやっている。

まぁ、本人が幸せそうだからと止めない姉思いのラズリである。

「ファイターズギルド行くなら一緒に行くよ。私もスキル取りに行こうと思ってたから。」



2人で仲良くファイターズギルドにつき、各自スキルを取る。そしてわいわい言いながら

すぐに建物を出たわけだが、早速ヨハネは『サモンライフキュービック』を使用。

ここで今回問題になる発言がヨハネから出た。



「キューブってさ・・・・どっから来るんだろう。」

ぷかぷか自分の右肩に浮かぶキューブをつっつきながらひとしきり「かわいー!」と騒いだ後

ヨハネはぼそっとつぶやいた。

「・・・ぇ?」

「てか部類は何?精霊?妖精?幽霊?ミューザキャットとかソウルレスとかとは別でしょ?」

2人して考え込む。

「妖精・・・とかじゃないかなぁ・・・・。」

悩んだあげくラズリはつぶやく。

「でもさー・・顔ないじゃん?人型でもないし・・・・。」

「妖精が人型で羽根生えてなきゃいけないっていうのは俗説だよ・・・・。

グランドマスターあたりに聞いてみるとか?」

そのラズリの提案にがしっとその腕を掴む。

「よし、戻ろう。」

てけてけと歩きだすヨハネに引っ張られながらラズリは

「お姉さま、私あと1時間でクラン会議・・・・」

「OK、1時間以内には解放するから。ギランでしょ?場所。」

もう苦笑を浮かべるしかない。



「と、言うわけでキューブとは一体何者なんですか。どこから来るんですか。」

再びファイターズギルドを訪れ、グランドマスター・ハンナバルト氏を問い詰める。

しばらくポカンとしたのち、ハンナバルト氏は咳払い一つ、

「キューブについては・・・エルフのマスターを尋ねなさい。」

その言葉に同じギルド内にいたマスター・ゴルディアン氏が

『なんでグラマス(グランドマスター)俺見てるんだYO』な顔をする。

が、ヨハネはそんな事には気づかず同じくギルド内にいる



女性の



マスター・リベリア氏に歩み寄る。

「・・・というわけなんですが。」

さくっと説明したヨハネにリベリア氏は分かったというように微笑む。

「キューブは、元々エルフの森に住む精霊です。

ライフは光の、ストームは風の精霊。ですから、私たちエルフ族でなければ

召還が出来ないのですよ。」

「つまりキューブさんはエルフの森から出張してきてくれてるって事ですか?」

ヨハネの物言いに少し困りながらもリベリア氏はYESの返事を出す。

「答えは出たね、お姉さま♪」

迫るクラン会議の時間を気にしながらラズリは言うが、姉は再び何かを考えている。

「あのー。」


やがて顔を上げたヨハネはリベリア氏に次の疑問をぶつける。

「召還できる精霊さんって選べないんですか?」

「・・・・・は?」

リベリア氏、ラズリ、( ̄□ ̄;)ポカーン

「えーと言い方悪かったかな、毎回同じ精霊さん呼べないんですか?」

言い方を変えても



意味不明。



「・・・というと・・?」

「ぇとね、例えばですよ?毎回同じ精霊さんだとするじゃないですか。

そしたら名前つけたりオトモダチになったりできるじゃないですか。」

お前は何をしたいんだ と言いたいのを我慢するリベリア氏。

「そうですねぇ・・・エルフの森に直接行き精霊と契約するとか・・・・。不可能では

ないとは思いますが詳しくは私にも・・・・・」

それでも真面目に答えてくれるリベリアさん。好感度30P↑

「エルフ村行ってみたら何か分かりますかね?」

「村の長老なら何か分かるかもしれませんね。」

「ありがとうございました!」

ぺこりと頭を下げるヨハネに続き慌ててラズリも頭を下げる。

そしてすぐにギルドを出て歩き出すヨハネに嫌な予感全開しながらも尋ねる。

「お姉様まさか・・・・・」

「ラズ、付き合ってくれてありがとうね。20分前、そろそろ時間だよ^−^」

しっかり時計を見ながら言うヨハネ。

「行くつもり・・・ですかエルフ村までわざわざ・・・・?;」

「もち!さーお友達探しに行くぞー!じゃラズ、また後日d(°-^*)⌒☆」

次の瞬間。目の前から消えるヨハネ。

さくっとGKで飛んだらしい。

残されたのは露店が立ち並ぶ中、引きつった笑いを浮かべたラズリだけである。







後編へ続く。

(続かない方がいい気もする。)