「みゅーいにゃいにゃぁ」
そういいながらあら挽きフランクをほおばる。
既に横の袋には5本のフランクのゴミが入っている。
壁に寄りかかってしゃがみこんで既に2時間が経過。
できるだけ村の中を見渡せる場所に陣どったものの、
2時間もたつと暇つぶしに持ってきた本も読み終えてしまい、
結局は安いジャンクフードを食べながらぼけーっとしてる事に
なってしまった。
「・・・っと。」
立ち上がろうとして腰の鞘をひっかけてよろめく。
今日はクリスタルスタッフは置いてきたし、武器はこいつだけだ。
立ち上がり再び壁に寄りかかって村の様子を見ていると。こちらに駆け寄ってくる
エルフの少女が見えた。
「ヨハネさーん、どぉ〜?」
そう言いながら寄ってきたラズリに両手をあげてみせる。
「どうしたの?狩り行ってたんじゃ?」
そのあたしの言葉に笑いながら横に並ぶ。
「PT見つからないから様子見に来たの〜。クルマ混んでてPTないし〜。はいお土産」
言いながら都こOぶの小さい箱を渡される。
受け取り早速箱を開けようとした時だった。
「あーーーーーーーーーーーーー!!!!」
下を向いてるボクの肩を揺すりながらラズリが声を上げた。
「へ?ナニ?」
驚いて顔を上げ、ラズリが指す方向を見る。
『いたーーーーーーーーーーーーーーー』
二人で声をあげ、近くにいた人が驚いているのも無視して顔を見合わせる。
「どうしよ?!」
「いやヨハネさん声かけなきゃ!。」
「よ・・・よし、がんばる・・・!」
両手をグーにして気合をいれ、道具屋から出てきたTIAに駆け寄っていく
「ふぁいとぉっ」
とラズリは後ろで手を振っている。

「TIA!」
ボクの声に振り返り、微笑み手を振る。
「コンニチワ!」
そう寄ってきたTIAに挨拶を返す。そして
「ドシタ デスカ?」
の言葉に小さく深呼吸をしてから話始める。
「TIA、クラン ドシタ?」
ボクの問いに少し首をかしげてから笑顔で答える。
「オワリ。ミナ モ イナイ。」
皆もういない、その言葉の意味が解散か何かだというのはぼんやりとは分かった。
「えーと・・・TIA ボク クランMastar シテル。ハイリマセン カ?」
少しどもりながら言うと考える間すらなくTIAはうなずいた。
「ハイ! ナマエ ナニ?」
「INESS・・・・TIA ノ クニのコトバ デ LUA オナジ」
その言葉にも彼女は笑顔でうなずいた。
「ワタシ ヨワイ  ダイジョブ?」
「ボク タスケル ソレガ  INESS  ダカラ。」
そういうと彼女は右手を出してきた。
「ヨロシク。」
「コチラコソ。」
それを見てか、後ろからラズが沸いてきた。
「案ずるより生むが安しってやつダネ♪」
「アン・・・ナニ?ダレ?」
ボクの背中に張り付くラズを見て首を傾げる。
「あ、えーと、ラズリです!」
そう言われても首を傾げるTIAに
「ラズリ  INESS。」
言葉を切って伝える。
「切らないと伝わらない?」
「うん、あと接続詞は極力減らすか単語扱い。」
「OK。ヨロシク!」
ラズに手を出されてTIAはようやく理解したという風に笑う。
「ヨロシク オネガイ シマス!」


この後、クラン規約の話になった際、「TIA、PKワカル?INESS ソレ ダメ。」
と説明をしたわけだが
「name akai warui sito    sitogozrosi!」
(名前 赤い 悪い人  人殺し!)」
ととても可愛い返事返事が返ってきたり実際はしたわけで。
当時INESSのクラチャではTIAのINしている際は出来るだけ
ローマ字での会話をしていました。
その後の会話の中で、彼女(実際は彼だったようですが)が在日日系さんで
母国語はポルトガル語。
ローマ字でならほとんどの日本語を理解出来る事が分かりました。
ついでに上で書いたように、南米の方はhの発音がsの発音になるため、
ローマ字表記にするとhito→sitoになるわけです。
もし身近に南米の方がいる方は注意してあげてくれるとうれしいです。
ポルトガル語、スペイン語どちらの言葉の方でも共通していますので。

そして転職についてさっぱり知らなかったTIAの
大騒ぎな転職がこの後始まるわけだが
それはまた次のお話。