ぱるばすふぃりあ〜オノエル特別編〜第6話

『今だ』

その瞬間オノエルが動いた。

「Kお兄ちゃん降ろして〜」

そう言ってKナインのひざから降りると真っ直ぐにカウンターに向かう。

「おじちゃん、フィンランディアとキングスバレー。あとピンクレディー!」

そう言うとちょこんとカウンターの椅子に座り、なにやらウエストポーチから取り出す。

「?席に座ってていいよ?おじちゃん持っていってあげるから」

そうマスターに言われたが首を横に振る。

「オルちゃんもってく。」

そう言ってカクテルをシェイクするマスターの手さばきを見つめている。

 

「ただいまー。」

そう言いながら顔の色の収まったセイクレッドが戻ってきたとほぼ同時にマスターが

トレイの上に頼んだお酒を並び終え、それになにやらオノエルはパサパサと入れてから持つ。

「おじょうちゃん大丈夫かい?重くないかい?」

「へーき。」

そう言ってトレイを持ち、てくてくとテーブルに戻る。

「おばちゃん」

そう言ってトレイを見せると迷わずフィンランディアに手をつける。

「さんきゅーオノエル。あんたも好きなの食べなさいよー。今日はおごりだからw」

そういうセイクレッドににこにこと笑いながら

「うんd(°-^*)⌒☆一仕事終えてから食べるよぉ」

そう言って今度は朝っちとテイルくんの元へと歩く。

「お兄ちゃんたち、飲み物もうからっぽでしょ?オノエル持って来てあげたよ〜。」

そういって若干邪魔そうな顔をした二人にも笑顔でトレイを差し出す。

「ありがとー」

「ありがとね〜」

そう言いながら二人がグラスをとったのを確認してからKナインのひざへと戻る。

「オノエルちゃん何を・・・」

「いいから見てて。」

そう言って3人の様子を見る。

   ゴクゴクゴク

   クピクピ

   キュー

3人がグラスに口をつけて数分後。

 

ドタッバタっドドドドベッターン

 

「?!」

驚いて猫が飛びのく。

「え?!えぇ?!」

オノエルが飲ませた3人が急にばったりと椅子をなぎ倒し倒れたんだから

驚くのも無理もない。

「まさか身内に使う事になるとは思わなかった・・・。」

そう言いながらKナインに3人に飲ませたモノの入っている小さな紙袋を見せる。

「これは・・・?」

「DE村に配達行った時に魔法商人のおばちゃんからもらった睡眠薬。

テスト品だからまだ市場に出てないレアモノ。」

唖然とするKナインを尻目に椅子から再び降りるとマスターに

「この人たちの部屋どこ?」

そう聞き、セイクレッドを背負い引きづりつつ運ぶ。

「猫お兄ちゃんも手伝って!クロおねえちゃんも!」

そう言ってずるずるとセイクレッドを引きづり二階への階段へと消えてゆく。

 

余談だが、クロフォードが手伝おうと眠っているキマエラの首を持ち上げた瞬間、

ものすごい大音量でいびきが響き渡り、猫が再び飛びのき、

クロフォードの大爆笑が聞こえた。

 

 

 

 

 

よく朝。

「んー・・・?」

ベッドの中で目を覚ましたセイクレッドは起き上がり伸びをすると周りを見渡した。

サイドテーブルには昨日の残りと思われるアデナと円系の平べったい袋。

そして何かのメモが置いてある。

『おばちゃんへ。

飲みすぎはだめです!昨日のおつりと頼まれてたフィストブレードおいてくね。

おのえる。』

そのメモを読み、袋から真新しい爪を出してつけて振り回してみる。

「うんなかな・・・・」

『ナカナカ』といおうとして痛みの襲った喉を押さえる。

『さすがに飲みすぎたか・・・喉痛い・・・・。』

そう思いながら窓を開ける。

下を見ると昨日のオークがふらふらと頭を抑えながら出てゆくところだった。

その様子にクスリと笑うと中に戻り、そして荷物を持って部屋を出た。

 



☆後日談☆
(野良PTにて)
「プロフィなんだけどいらないかしら?」

「あ、お願いします〜デーモンなんて珍しいですねぇ〜」

「お下がりなの、悪いわね。でもちゃんと仕事はするわ。」

「いえいえ〜プロフィさん見つからなくて困ってたんですよ〜じゃ出発〜」

「せ・・・聖職者だったのか・・・・・」

「つーか兄貴二日酔いで倒れてるのに元気だぞこのねーちゃん・・・」

「やっぱり怖くてくどけねぇ・・・・見た目はいいのに・・・・・」

「ん?あら?貴方たちどこかで・・・・・」

「いいえ!!!!初対面です!!!!!」