血・束縛・反逆・・・解放〜sacredモノローグ〜第4話
とは言ったものの正直6人はきつかった。
「やろう!!!」
そう叫びながら二人目のWIZの左顔面にハイキックが決まる。
「う・・・」
うめきながら倒れたネクロと思われる男。息をつく間もなく飛びのく。
目の前にはストスト装備のプロフィット。地面に男のエルダー
とネクロ。残るはソーサラーにグラディエータとソードシンガー。
ファイター学校でてる連中相手に自分の最低限の武術が通じるとはとても思えない。
体力のないM職から狙ってはいるが2人倒せただけでも正直キセキに等しい。
デストロイヤーやってた父親の血に感謝する間もなく負けた後の事を想像して
うんざりする。
『限界か・・・』
目の前のプロフィットの後ろであのむかつくソーサラーの詠唱が見える。
「チっ」
そう舌打ちしながらにらみつけたその瞬間だった。


「GO〜〜〜〜〜〜!!!!!!」


あの女の声が聞こえた。振り返るより前に目の前の連中に魔法が降り注ぐ。
「ハリケーン・・・プロミネンス・・・ハイドロブラスト・・・」
その光やら風やらを冷静に見つめながらあぜんとしていると不意に後ろから
脇を掴まれ立ち上がらせられる。
「は?」
「大丈夫ですか?」
そう、声をかけてきたのはエルフの少女。何がなにやらと思うと目の前に
接近するグラディエータ。プロミネンスの爆発煙のせいで
私を支えるエルフの少女は気づいていないように見えた。。
「離せ!!!」
巻き込むわけにはと思い、そう叫ぶとにっこりと微笑み
そのグラの背後を見やる。
「あぁぁぁぁっっっ!!!!」
叫びと共にいつの間にかグラの背後にその少女が・・・いや、私を
支えている少女はまだ後ろにいる。同じ顔の少女のデッドリーをまともに
くらい、グラディエーターがゆっくりと倒れ落ちる。
「姉さん殺してないよね?殺したらあとでヨハネさんうるさいよ」
「急所ははずしてあるよん。代わろう、ここのタンク任せるわラズリ。」
「おけーそれじゃ歌いますかー!!」
私を預けると前に出ると歌い始める。その間にと
姉さんと呼ばれた少女の肩を借り、少し離れた場所へと連れて行かれる。
「あんた・・・・・」
見上げると先ほどの掛け声の主がさっきまでと全く違う装備で立っていた。
「間に合ってよかった〜。ちょっと待っててね。」
そう言うと顔を上げる。
「ボス、モット  アブナイ  コロス ナル」
そうカタコトで話すスペルハウラーと楽しげに炎を浮かべる少年に
少し間をおいてから「ヨハネ」はにっこり笑う。
「ティア、くおんくん。ポイズン。殺ス ダメ」
「OK」
2人が詠唱に入ると同時に本人も詠唱に入る。
「フリージングシャックル・・?ってあんたスペシンだったの?!」
『ヨハネ』は詠唱を止めずに微笑む。ナレッジだった服はデーモンに
エルバソは腰におさめられインフェルノスタッフを握っている。
詠唱をおえ、魔法を放ち終えると危なっかしい足取りで先ほどの
双子の片割れのところへと駆け寄る。
「いきますか」
そう言って片割れが私を支え促す。WIZの2人は『ヨハネ』の後を追い
前を走る。
「ラズ、もういいや。ここまで削ればもう攻撃はしてこないっしょ。」
そう言って倒れた連中の中にずけずけ入っていき、ラズリと呼ばれた
シンガーは剣を収める。
「えーっと・・・あーいたいた。」
そう一人でぶつぶつ言いながら私を怒らせたソーサラーを見つけると
その横にしゃがみこむ。
「てめぇ・・・覚えてろよ・・・」
そう言いながらうめくソーサラーを見つめながらしばらく黙った後、
今までとは違いまじめな声で話し始める。
「神聖生物・・・パブテスマ一族。その長女が行方不明って言うのは
あたしも知ってる。それがあのお姉さんだとは思わなかったけど。」
意味不明な話の入り方は変わらずとも顔つきは初めてみる顔だった。
「あたしね、島育ちのエルフなんだー。だから島の噂とかはよく
知ってるんだよね。ちなみに貴方の事も知ってる。」
そう言いながら男の額に指を当てる。
「卒業式にボタンあげようとしたらパブテスマさんに投げ返された人デショ。」

ちなみにその話は私は知らない・・・・ってゆーか覚えてない。
が、奴は顔を真っ赤にして怒り始める。
「なっなっ?!」
「だめだよー。一度好きになった人に手かけるような真似しちゃ。」
そう言っていつもの『ヨハネ』に戻る。
「過去は過去であって今ではない。そして幻でもない。過去でもね
過去好きになった人、傷付けたら痛いと思うよ?ね?」
そう言って笑うと唖然とした顔をしてから負けたよと小さく呟いた。。

「ボス ヒール スル?」
「オネガイ。」
横から覗き込んだハウラーの言葉にうなずき応える。
あとはひたすら3人のWIZのヒールが倒れた連中へと振り注ぐのみだった。