13、もう一度、ここから始まる物語




『やはり手を出しましたね、オノエル。』
『それはお互い様ではありませんかスリエル。』
『ふふ・・・私は悪戯をしただけです。これからどうなるのかしらね?』
『楽しそうですね・・・。』
『安心なさい、ここからは監視者として見守るだけです。ただ・・・。』
『ただ?』
『どうか全ての絶望を越える光をその瞳が湛えん事を祈るだけです。』
『祈る事くらいは・・・我々にも許される・・・ですね。』
『我揺り篭よ、さぁ、探しなさい・・・。貴方が行くべき未来を・・・・!。』



「・・・で。さっぱり話しが分からないんだけどぉー。」
ひとしきりヨハネが泣いた後、面白くなさそうにラズリが言う。
「ぁ、えとね、この二人は前にボク消える前からの知り合いで・・・。つか血盟員で・・・」
「消える・・?っていうかボクって・・・・」
「だからINESSのメンバでね。えーと。」
一生懸命説明しようとして空回り全開のヨハネを見ながらオルはセイクレッドの
横に並ぶ。
「おばちゃん傷は大丈夫?」
「平気よ、このくらい。しばらくはおとなしくしてた方がよさそうだけど。」
笑いながら言う。
「今度こそ・・・普通のエルフなのよね、あいつ。」
そう言うセイクレッドに少し、困った顔をオルは向けた。
「ぁ?どした?」
「あのね・・・多分、おねーちゃんの中にスリエルさん・・・いる・・・みたい;;;;」
「は?」
「あ、でももう魔法生物とかじゃないよ。オルちゃんと同じで中にいるみたいなの。」
それを聞いてラズリとわーわー言ってるヨハネを見る。
「どーゆーつもりなのかしら・・・『監視者』・・・・」
「でも、きっと悪い事はないよ。」
「どうしてそう言いきれる?」
「だってオノエルさんも、スリエルさんも、手を貸してくれたでしょう?」
そうにっこり笑う。少し止まってからその頭を撫でる。
「そうね・・・。」

「だから、INESSでボク一回死んでてさ、んで復活したんだよ。」
「お姉様・・・ぜんぜん分かんないんだけど・・・・。とりあえず一度村に戻ってその髪なんとか
しましょう・・・。」
「あ!そういえばラズストレートになってる!!!」
「気づくの遅いよ!」
「えへへへへー。お揃いだねぇ。」
「お姉様ぼさぼさでわかんなくなってるけどね。」
「えーーうそーー直してぇぇぇぇぇぇ。」