ー天使の悪戯ー

『Now if you need me
Call me
No matter where you are No matter how far
Don't worry baby Just call out my name
I'll be there in a hurry You don't have to worry 』


ここは話せる島
エルフの遺跡のある場所。
正確に言うのなら、ある場所からのみ立ち入る事が出来る
【白き時間】

『'Cause baby, there ain't no mountain high enough
Ain't no valley low enough Ain't no river wide enough
To keep me from getting to you, babe
Remember the day I set you free
I told you, you could always count on me, darling』


その中を、小さな、けれど透き通った「歌声」が響く。


『Remember the day I set you free
I told you, you could always count on me, darling 』


何かを懐かしむような歌声。それを邪魔せぬようにと
声の主へと近づく気配がひとつ。

『And no wind And no rain Or winter's cold
Can stop me, baby 'Cause if you're ever in trouble
I'll be there on the double Just send for me, baby Oh baby』


気配はある程度の距離を保ち、その歌声に自分の声を重ねる。

『My love is alive Deep down in my heart
Although we're miles apart If you ever need
A helping hand I'll be there on the double Just as fast as I can 』


性別の判断出来ない歌声。

『Ain't no mountain high enough Ain't no valley low enough
Ain't no river wide enough To keep me from you』

そこまで歌い終えたところで歌声はピタリと止まる。


『彼女がよく口ずさんでいた歌ですね。』

『ええ、覚えるには十分すぎるほど聞かされましたからね・・・。
オノエル。どうしてここへ?』

『ある者に頼みごとを言付かって参りました。』

『ほう・・・なんでしょう?』

『お分かりのはずでしょう、監視者スリエル。人が悪い。』

『ふふふ、貴方とのお話を長く続けていたいのですよ・・・。
頼みとは彼女からですね。銀色の精霊。』

『ええ。内容をお聞きになりますか?』

『いえ。・・・・まさかこの世界に留まった私の所へわざわざそれを頼むとは・・・ね。』

『あの時、お戻りになった力を再び手放すような貴方だからこそ・・・ですよ。スリエル。』

『・・・・・・私には干渉する権利はないのですが。・・・でも、まぁ少しだけ。』

『少しだけ?』

『少しだけ、悪戯をしてみましょうか。』

『悪戯・・・ですか?』

『ふふふ、戻って彼女に伝えなさい。貴方の願いは確かに聞きましたと。
そして私にはその権利はないと。』

『・・・・・』

『そして、貴方の名を掲げ続けた彼女たちに私の助力は必要ない・・・そう。
銀色の精霊には伝えてください。』

『・・・・分かりました。』

『そう、必要ないのです・・・。ですが。』

『はい・・?』

『彼女たちの鈍さは他に類を見ませんからね、軽い悪戯だけはしてあげましょうか。
ふふ。』

『楽しそうですね。』

『あれから20年・・・見守るのも、少し飽きましたから。』









・あとがき・
作中の歌詞は某映画の曲です。
著作権違反・・・なのかな・・・・?;;;;
いや、うん、宣伝だよ!(やばいかなぁ・・・でも他の曲イヤなんだよな・・)