AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する
『アインハザードとグランカインを生み出した球体を作り出した天使・・・
7体の天使。天使たちがアインハザードとグランカインに任せたこの世界を
監視者として月から見守る者エルデ・スリエル。
制御者エルデ・オノエルと共に視察の為降りた混沌に支配されたこの世界を憂い、
やがて他の天使たちの止めるのを振り切りこの世界を長い時間旅したのち
ある者に自分の力の半分を分け、その力を持ってこの世界の柱として
この地に封印され。
スリエルの妹であったオノエルは自分の魂を二つに分け、一つを月へと返し
一つをスリエルの力を護る為に一人のシーレンの子供へと封じた。
 この真実はスリエルの意思により語り継ぐ事は許されない。
だが、私の遠き子孫があの方の目覚めにこの書記に巡り合う為に
あの方への私の誓いを継いでくれる為に、ここに真実を記す。
ヤルダバオト・パブテスマ』
セイクレッドはヨハネを抱えたまま、そう昔読んだあの古代書の一文を呟く。
それに球体・・・スリエルは応える。
『彼が私を封印したのち残したものですね。ヤルダバオト・パブテスマ・・・彼の、
貴方の祖先の名です。』
「待って、じゃぁあの本に書かれていた事は全て真実なの?巨人時代の終焉の本当の理由・・・・
アインハザードがキレて巨人ほとんど殺したってのは表向きの歴史でってのが・・・・。
『それは少し語弊がありますね。アインハザードがほとんどの巨人を死滅させたのは真実です。
ただ、完全に絶滅する前に私やオノエルが力を使い止めたのは事実ですが。』
「監視者スリエル・・制御者オノエル、一体その力っていうのは何なの?シーレンやエヴァのような
元素の力ではないわけ?」
『確かに我々「エルデ」の名を持つものは各自元素の力の種も抱えていますがそれらは生命を生み出す際に
必要になる程度。我々の本来の力は7人で一つの星を生み出し、そして命を与える力。世界の始まりの力。』
「世界の始まり・・・?」
『全ての生物が生きるのに必要なモノを考えてくれれば分かりやすいと思います。』
「大地・・・とか水とか?太陽光や食物連鎖・・・」
『そうです。そういった全てを生み出すのが5体の天使の力。私とオノエルは育みを導きそれを見守る者。
監視者である私には破壊の力と希望を示す光の力があり、オノエルはその力をコントロールする力があります。』
「二人で一人って事?」
『いつの時代も過ぎた力は破滅しか生み出しません。アインハザードがいい例でしょう。』
「・・・なるほど・・・ね。それで?うちのご先祖と会ったのは?」
『巨人たちの支配時代に。偵察に降りた私たちが戸惑っていた時に食事を分けてくれたヒューマンが
彼でした。ほどなくして、私たちの正体はばれましたが、彼は我々の護衛をと旅に付き添ってくださったのです。』
「ヤルダバオト・・・そこまで遡っちゃうのね。うちの血筋。どおりで家系図にその名がないはずだわ。」
『パブテスマの名は私が神聖の力と共に彼に差し上げたモノ・・・。我々の言葉で尊き神聖の力を表す言葉です。』
「OK、とりあえずうちの血筋の事とあんたたち『エルデ』の事はなんとなく分かったわ。
・・・・で?それがどう・・・このうちのボケ盟主に繋がるわけ?」
気を失ったままのヨハネを横目で見て言うと少しの沈黙が流れた。
『彼女に・・・違和感を持ったコトはありませんか?パブテスマの末裔よ。』
「違和感・・・?」
『彼女は明らかに通常のエルフ族とは違う。そう感じた事はありませんか?』
その言葉にわずかに考える。
確かに水系魔法より光や雷の魔法を得意としている所は若干変わっているとは思ったが
元々スペルシンガーはどちらも使える職だし後者の特化してもおかしくはないと考えていた。
『彼女はエルフ族ではありません。』
その言葉に顔をあげる。
「は?いやどっから見てもこいつエルフじゃない・・・・。」
『それは彼女が持っている魂が元々エルフだった者の魂だからそう形作られているに過ぎません。』
スリエルはそこで言葉を切った。
そして少し沈黙してから続ける。
『彼女は・・・漏れ出した私の力の欠片に多くの精霊たちの死骸が集まり、そして形を成した生物。
そこにたまたま入り込んでしまった魂を取り込み、そして一つの「存在」となった。』
「え・・・ちょっと待ってよ、よく分からないんだけど・・・。」
『私の力の欠片と精霊たちの死骸で出来ている一種の魔法生物。それが彼女です。』
「・・・・・・・・」
言葉が出てこない。そういう表現が一番合っているだろう。
魔法生物なんてハーディンやらドワーフの専売特許だと思っていた。
まともな知性を持っているとも思っていなかった。
それが、どこから見ても変わってはいるが一応一般人なコイツが。
「それ・・・普通のエルフとどう違うの・・?」
やっと、そう言葉を捻り出すとスリエルは静かに答える。
『普通に生活する分にはあまり変わりありませんが、体の維持に通常より沢山のエネルギーを必要とします。
そして私が今まで監視していた限り、水の魔法をうまく使いこなせていませんね。』
「監視・・・?」
『私は監視者としてこの地の柱としてここに封印されています。この大地で起きている事であれば全て把握しています。』
「ああ・・・そうだったわね・・・。」
『そして、これは少し残酷な話しになりますが・・・。』
「何?今更驚かないわよ。」
『恐らく彼女の体はあと数年・・・10年も持たないでしょう。』
「は?!」
『精霊の死骸は本来風や水の流れに溶け還るもの。それが私の力の欠片で形を成しているに過ぎません。
そこに何かの要因が重なって彼女が彼女として「在る」のは確かですがその理由が何なのか、そこまでは私
でも分かりません。本来なら彼女はもっと早く消えている。』
その言葉にセイクレッドは動揺した。
「どういう事?!確かにこいつは今ここに存在してるし、無駄に元気なのよ?!」
『キセキ・・・この世界ではそう言うのでしたね。』
「奇跡・・・・」
『私が話したのは彼女の始まりの話し。彼女の今は貴方の方がよく知っているはずです。
貴方が言うとおり彼女は今も存在している。それは変わらない真実です。』
「・・・・・・」
『制御者オノエルの力を受け継ぐ揺り籠に出会った、そのことでも彼女の運命は変わり始めている。
私はあくまで見守るもの。人やエルフや・・・この地で生きる者たちに何かしらの手を貸す事はできません。
・・・ですが』
そう、言葉を切る。そしてセイクレッドが顔を上げるのを待ってから続ける。
『彼女の中に在る私の力は彼女が尽きるまで・・・彼女に預けます。ヤルダバオトの末裔よ。
そう決めたからこそ貴方に逢いたかった。これから私が話す事をよく聞いてください。』